今現在、ここ津山で最も勢いのある若手起業家・クリエイターにフォーカスしインタビューを刊行する企画『MOMENTUM(モメンタム)』。
第1回目にお届けするは、津山市押入で人気ヘアサロンを経営するBeBe hair spaceの河部浩司氏。2018年に11年目に突入した津山を代表する人気ヘアサロンの一つ。毎年、前年度の業績を上回り更新し続けている。津山市出身の現在36才の河部氏は一体どのような過去を持ち、どのような未来をここ津山で描いているのか。インタビューを行って来ました。
──河部さんのこれまでの経緯を教えてください。
河部:僕はここ津山で、高校卒業の18才になるまで過ごして、そのあと横浜のサロンで半年間、その後、大阪のサロンへ就職しました。美容専門学校は通信教育でサロンで働きながら専門学校に通いました。8年後の26才の時の2007年に津山へ戻り、BeBehairspaceを津山市押入にオープンしました。
──BeBe hair spaceとはどんなヘアサロンですか?
河部:都会的な雰囲気の店内と個性が生きるヘアデザイン+似合わせをコンセプトに、10代の若い方から、90代まで幅広いお客様がご来店されています。現在スタッフは12名。中でも本松と今村は昔から付き合いのある地元の同級生です。
──つまり友達ということですか?
河部:そうですね。(笑)
今村は小学から高校まで同じ(笑)
──友達と一緒に働くことはどんな感じですか?
河部:本音で言い合ってぶつかることもたまにはありますが、多くはいい事ばっかりですよ。2人のお陰で天狗にはならないし、初心にかえらせてくれる。本当にこの二人の存在は大きいです。
──それはいい関係ですね!ちなみに起業するキッカケは何だったのですか?
河部:起業するキッカケになったのは、BeBeをオープンする1年前のことなんですが、実はその頃、僕は津山に戻り福祉美容師をしてました。少し恥ずかしかったですが、自分のプロフィールを記載した『チラシ』を自分で作り、チラシ片手に津山市内のグループホームを中心に営業に回ってました。
その当時、訪問美容をしてる美容師が全国的に少なかったというのはあるのですが、津山市内ほぼ全ての施設へ自分自身を売り込んで回ったんだけど、それがもう全然ダメで。(笑)今振り返れば、あの頃の経験があるから今のBeBeがあるんでしょうけど、あの当時は本当に辛かったですね。
で、津山市役所の職員さんにこう言われたんです『自分のお店は持ってるの?』って。『持ってないです!』と言うと、お店を持つか在籍してないから上手くいかないんじゃないかって。要するに信用出来るか?ってことでしたね。『じゃー就職よりもお店を持ちます!』となったことが起業のキッカケでしたね。
──てっきり河部さんは自分のお店を持ちたくて津山に帰って来たのかと思ってました。
河部:持ちたい気持ちはありましたけど、大阪から津山へ戻って来たのは、東京の山野美容専門学校で福祉美容師(全国介護理美容福祉協会)を取得し、ライセンスを得たから、福祉美容師で津山で活動する為だったんです。
ただ上手く行かなかったのもあり、逆に目立つ場所がいいと思い、今の場所にBeBeが出来ました。
──そうだったのですね。今でこそ『来るスマ美容師(訪問美容)*』と言うキーワードがトレンドになってますが、その当時から訪問美容に注目されていたのですね。
河部:そうですね。
結果的にはその頃は上手く行きませんでしたけど(笑)でも今でも当時からよくしてくださったグループホームさんには行かせてもらってますし、ケアマネジャーさんとは連絡取り合ってます。40歳でまた活動していくプランがあります。
※来るスマ美容師:「スマイルを届けに来る美容師」リクルートHD2018年トレンドキーワード
──起業して一番良かったことは何ですか?
河部:まず、仲間いるって事ですね。みんなと一緒に成長を感じることが出来るのが、本当に良かったなと思います。福祉美容の目標は2番目において、まず、津山で根付いたサロンを作ることを1番の目標にしました。10年経ち、お客様からスタッフになってくれた5人や今年は2人新たに増えたので嬉しいです。
あとBeBeに来ていただいているお客様も本当にいい方ばっかりで。10年間来てくれている方も多く、お客様にも恵まれてます。
──これまで何かお客様との感動的なエピソードなどありますか?
河部:あるお客様の結婚式にヘアメイクで参加したことがありまして、お客様の結婚式当日は美容師は完全に脇役であるんですが、式の最後にも関わらず新婦さんが涙を流して僕に宛てた手紙を読んでくれたんです。その時ばかりは本当に感動しました。美容師やってて良かったな〜って!色んな人に自慢しました!
──それは感動しますね!まだそのお客様は来られてるんですか?
河部:もちろん!お子様も生まれて家族で通ってくれてます!
──今もいい関係が続いてるんですね!?美容師さんってお客様にとってどういう存在であるべきだと思いますか?
河部:美容師はお客様にとっての生涯美容師であるべきだと思っています。年に4回、約2時間ほどヘアカットを通じてお客様と対話する。これってちょっとした親戚レベルの頻度ですよね。だからお客様のことはご家族や友達を次いで美容師である僕たちが一番よく知ってると思っています。
交友関係はもちろん、好きな人が出来たことや彼氏が出来たこと、プロポーズされた時の話などなど。だからこそ、お客様のウェディングの日には本当に僕たちにとってお祝いだし、精一杯お祝いしてあげたいっていう素直な気持ちになるんです。
お客様の冠婚葬祭も含めた一生涯のお付き合いができること。それが私たちBeBeの責務だと思っています。
──河部さんは美容師として津山で様々な活動をされてるとお聞きしたのですが、具体的にどのような活動をされてますか?
河部:津山から次世代の美容師が育つ環境を構築するためにジュニア・ヘアドレッサーズ・スクール(以下、JHSという)というスクール事業を立ち上げてます。津山には美容の専門学校がないので、津山の方が美容師になりたいと思ったら近くて岡山の専門学校まで通わなければなりません。
近くに専門学校がある方と比べて、スタートの時点でハンディキャップを背負ってます。県外に出て夢を実現するのもいい経験になるし、僕自身大阪に行ってよかったなと思う反面、近くにあったらな〜と思うことも少なくありませんでした。
だからJHSを通じて次世代の美容師が早い段階でプロ化し、国家試験を受けて、美容師という職業をより気軽に選択できるような基盤を作っていきたいと思っています。
──最後に、河部さんの原動力を教えてください。
河部:先に述べましたが、津山には専門学校はおろか、映画館やスタバもない。何処と比較するかでその定義は異なるけど、少なくとも僕がいた大阪よりも田舎であるのは言うまでもないと思う。僕が10代の頃のこの街は、今よりももっと何もなかったし、内から湧き出る「都会にいきたい」という願望を抑えながらひっそりと暮らしていましたね。
だけど実際に大阪へ行き、ここに帰って来た時に、生まれ育った津山への愛着は僕の中でまだ息づいてたし、BeBeをオープンして様々な方と触れ合うことで、津山への郷土愛はより深まっていきました。だから生まれ育ったこの街に何か爪痕を残したいという気持ちは今の活動全ての原動力になってると思います。
とはいえ、津山に映画館やスタバはすぐに作れないし、僕だけでは『お洒落な街づくり』は到底果たすことができない。だけど僕は美容師として、この街に暮らす人たちを今よりもっとキレイに、カッコよくすることは出来る。『お洒落な人づくり』はできる。そう信じて動いてます。
お洒落な人が増えれば必然的に町は街に変わっていくと信じています。
人気沸騰中で今年10周年を迎えるbebe。 河部・本松・今村の3名が高校の同級生であり大阪から戻り2008年に開業。 年間ストーリーやデザインケア&脱マンネリ化など独自のテーマで一人一人に合うSTYLEを提案してくれる
店舗名 | BeBe hair space(べべヘアスペース) |
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所在地 | 〒708-1126 岡山県津山市押入796-6 |
電話番号 | 0868-26-2678 |
営業時間 | 火-金 10:00~20:00/土曜日 9:30~19:00/日曜日 9:30~18:00 |
ホームページ | https://www.k-art-be.com/ |
今現在、ここ津山で最も勢いのある若手起業家・クリエイターにフォーカスしインタビューを刊行する企画『MOMENTUM(モメンタム)』。 第1回目にお届けするは、津山市押入で人気ヘアサロンを経営するBeBe hair space